川でウナギ釣りすをるおじさんと少年たちがいた
夕方、散歩で川の近くを通るとき、向こう側の岸で、
おじさんが背丈よりも高く伸びて緑の土手のようになった葦の葉の大群を、
幅1・5mくらい、鎌で根元から刈っているのが見えたのです。
あれ? この川の岸は毎年、どこか公共の車が来て職員が刈っているのに、
あのおじさんは個人で今頃、何をしているのかな?
葦の葉が伸び過ぎているので奉仕活動かな?
と思いながら、ぐるりと30分ほど散歩して回り、
こんどはそのおじさん側の土手を歩いて帰ろうと通りかかりました。
すると、おじさんは釣りをしていたのです。
ああ、釣りをするために葦の葉を刈っていたんだ。なるほど。
すると散歩中の中年のご夫婦がきて、
「何が釣れるの? あ、ウナギなんやね!」とおばさんが話しかけると、
おじさんは、竿にかかった20センチくらいのウナギが、白い腹を見せて、
グニュグニュと動くのを手ではずしながら、
「そうよ、ウナギが釣れるんよ。けど、これまだ小さいから、川に返すわ。」
するとおばさんが
「そうやね。また来年、来てもらわなあかんからね。」と言いました。
ああ、そういえば、1週間ほど前、この少し向こうで、少年が数人、釣りをしていました。
あの子たちも、きっとウナギ釣りをしてたんだわ。
なるほどね。
ウナギが釣れるなら、おじさんも草刈りをする気にもなるでしょう。
普段は釣りをするひとなど滅多にいないのに、
最近、時々、川に釣り人が出現するのは、そういう理由だったんですね。
いろいろなことが納得できた散歩でした。